Atomkraftfreie Welt-SAYONARA Genpatsu Düsseldorf e.V.」――これは私たちがドイツ、デュッセルドルフで設立した公益社団(日本語名「さよなら原発デュッセルドルフ」)である。読んで字のごとし、日本の、そして世界の原発と永遠にサヨナラしようというのがその目的である。

2011年に起きた福島の原発事故は、ドイツに暮らす私たちにも大きな衝撃だった。日本人として何よりももどかしかったのは、ドイツで得ていた情報と日本で流通しているそれとの間に、かなりの格差があったこと。しかし、大飯原発の再稼働をきっかけとして、日本で上がった脱原発を求める声に、私たちも手をこまぬいているばかりではなく、彼らに連帯しようと海のこちら側で立ち上がったのだった。

とはいえ、原発を取り巻く日本の状況は悪化の一途をたどっている。原発被災者を差別し、いまだ汚染されている地域に無理やり帰還させ、原発を再稼働させるばかりか、輸出までもくろむ日本は、2022年までに原発から撤退すると決めたドイツ人たちから見ると不可解の極み、「なぜ日本人はそれに反対しないのか」という問いになる。

ドイツでは、たとえばトルコで専制政治が行われていることはみんな知っているが、日本の政治が極端に右傾化し、メディアを規制していることはほとんど知られていない。原発に反対する活動家には公安の尾行がずっとつき、日本で行われるデモはもちろんのこと、私たちがドイツで行うデモにすら、日本の公安が来て参加者の顔写真を撮っていくということをドイツ人に話すと一様に驚かれる。そこで、私たちは、原発に反対するばかりではなく、ドイツ人にこのような日本の現状を知らしめる任をも負っていると考えている。
今回、私たちの活動に、日本から小出裕章先生の強いメッセージをいただいた。皆様にご紹介し、さらなる一歩を進めていきたいと思う。

文:Sayonara Genpatsu Düsseldorf

小出裕章先生からのメッセージ

日本の脱原発にドイツからも連帯「さよなら原発デュッセルドルフ」へ戻る